Built with Qt
ザウバー
ミリ秒単位の最適化で最高のパフォーマンスを実現
技術革新の頂点を極めた自動車デザイン
75%
開発時間の短縮
50%
コードベースの縮小
100%
信頼性
2026 年にアウディ F1 ファクトリーチームに生まれ変わるザウバーは、ザウバーモータースポーツでQt ソフトウェアを使用して、F1 レースにおけるより迅速かつ安全なオペレーションを実現します。また ザウバーテクノロジーズでも Qt ソフトウェアを使用し、F1 をリードする研究を産業市場に活用します。
ピットストップ作業の最適化から空力設計、ドライバートレーニングに至るまで、Qt テクノロジーはザウバーに迅速な制御、リアルタイムの情報、信頼性の高いデータを提供し、イノベーションとエンジニアリングの頂点を極めています。
Qt を活用することでピットストップオペレーションをミリ秒単位で最適化し、ドライバーとチーム双方の安全を確保しながら最高のパフォーマンスを実現できます。
Iñaki Rueda, Sporting Director of Sauber Motorsport AG
Qtソリューションのハイライト
包括的で高性能なソフトウェア開発フレームワークによる迅速な開発
応答性の高いユーザーインターフェースと超高速データ通信
品質と安全性を高める信頼性の高いソフトウェア・コンポーネント
一度のピットストップは通常3秒以内で、すべてをとても素早く行う必要があります。ミリ秒単位で問題があるかどうかを即座に確認するために、本当に素早く反応するインターフェイスが必要なのです。Qt は一流のフレームワークとして、これを本当に実現しています。
Alessandro Agansati, Project Leader Pitstop System, Sauber Motorsport
ミリ秒単位へのこだわり
ザウバーは Qt をいくつかのアプリケーションに使用しています。その 1 つがピットストップ・システムで、F1 レース中のピットストップ作業を合理化し、最大限のスピードと安全性を実現します。QtデスクトップGUIアプリケーションは、ピットストップ前とピットストップ中に車両のシステムを監視し、すべてが正常に動作することを確認します。また、問題が発覚したときにはアラートを発し、クルーが介入して修理作業を行います。
ステークF1 チーム キック・ザウバーは、必要なライブラリの一部が非推奨となった.Net フレームワークの代わりに、効率的でコスト効果の高い開発フレームワークを探していました。そこでQtフレームワークがピットストップシステムに導入されました。Agasanti氏は次のように述べています。
Qtは、優れたUIアプリケーションをシンプルかつ効率的に構築でき、コストも抑えられる最高のフレームワークでした。
3秒以内の時間枠で操作する場合、レイテンシのないUIが最重要であることは明らかです。しかし、ピットストップの効率性(と安全性)は、クルーどうしの連携や、車体やボックス内の多様なセンサーやデバイスのリアルタイムデータ処理にも大きく依存しています。ここでは、Qt multithread executionが理想的だと考えられています。Qt Signal and Slotsを使用することで、スレッド管理が大幅に簡素化されます。スレッドは手動で作成する必要はなく、自動的に管理され、実行コンテキストはコールバックイベントを介して提供されます。
定型的な部分については心配する必要は一切なく、背景にある設計が実現可能な最善の策であると100%確信しています。
Qt Multithreading TechnologiesとSignal and Slotsメカニズムにより、すぐに使えて最高のパフォーマンスを発揮するシステムを手に入れることができます。レゴブロックを組み立てるようにプログラムを作るだけです。アーキテクチャの設計方法を知っている必要がありますが、その後はパターンがきちんと定義されているので、数時間から数日でアプリケーションを構築することができます。
Alessandro Agansati, Project Leader Pitstop System, Sauber Motorsport
効率的な開発
F1は年間を通してレースが開催されるため、開発やアップデートの時間はどんどん短くなっています。同時に、技術の進歩に伴いデジタル化や自動化が重要かつ必須となり、システム要件も増加しています。
私たちは常に時間との競争をしています。消費者向け製品や産業向け製品のような開発時間はありません。しかし、同じ性能、品質、信頼性を提供する必要があります。
Qtを使うことで、ステークF1チーム キック・ザウバーは素晴らしい開発リソースと、フォーラムやグループによるオンラインサポートを得ることができました。
ドキュメントは、明快さと優れたデザインが際立っています。どんな問題に直面しても簡単に解決策を見つけることができます 。
さらに、Qtのライブラリは、開発の後半で役立つ多くの機能をあらかじめ備えており、段階的な開発をサポートしています。
Qtフレームワークは、問題の根底にあるものとその解決方法を熟知している人が設計しているので、必要なツールはあらかじめすべて提供されています。
デフォルトで入っているシグナルがなぜ入っているのか、最初はわからないということがよくあります。後になって初めて、開発者はまさにその特定のシグナルが必要であることに気づき、すでに含まれていることに気づいたときは大きな安心感を覚えました。
Qtを、GUIグラフィック用でなく、ソフトウェアの裏にあるネットワーク・リスナー向けに、普通のプログラミング言語と同じように使いました。シグナルとスロットは、コードが高速かつレスポンシブの要件があるときにとても便利です。1週間で、私はすべての問題をスムーズかつ確実に解決することができました。
Qtはパフォーマンス志向なので、本当に違いが出ます。
Alessandro Agansati, Project Leader Pitstop System, Sauber Motorsport
ピットストップからの応用
長年にわたり、ザウバーは Qt Framework を使用して、アプリケーションを開発してきました。その中にはデスクトップ用(ピットストップ システムなど)、組み込みデバイス用(ドライバー トレーニング用シミュレータやイベントロガーなど)があります。
このイベントロガーは、Qt で作られた非 GUI アプリケーションとして特筆に値します。チームは、最初はPythonで、その後別のフレームワークで、ロガー(詳細は非公開)の構築を何ヶ月も試みていました。Qtに移行した後、ザウバーチームはわずか2週間でシステムを構築し、より優れたパフォーマンスを実現することができました。
シグナルとスロットの仕組みは、ユーザーインターフェイスが必要ないときでもとても便利です。Qtを使うことで、他のフレームワークで2ヶ月間やろうとしていたことを2週間で作ることができました。
そして、ザウバーのComputational Fluid Dynamicsチームは、空気力学と流体力学ソフトウェアの GUI に 2007年から Qt を使用しています。このアプリケーションは F1 レースで開発されたものですが、自動車設計から航空宇宙工学、さらには建築プロジェクトまで、産業界の顧客の商用製品で使用されています。Qt インターフェースは、シンプルでインタラクティブな操作性と、クラウド上で処理される複雑な情報や大量のデータへのアクセスを提供します。
CFDチームを立ち上げた2007年、バージョン3からQtを使っています。PySideとPythonのバインディングとQtのクロスプラットフォーム機能は、Qtを選ぶ大きな理由です。そして、Qtでの作業は簡単にやりたことを実現できるので、全般的に使いやすいです。
Francesco Del Citto, Head of Aero Software, Sauber Group
ザウバーグループについて
ザウバー・グループは、2つの事業体から構成されています。ザウバー・モータースポーツAGはフォーミュラ・ワンTMチームの運営と管理を行っています。ザウバー・テクノロジーズAGは工場内の最新鋭の風洞設備でのフルスケールおよびモデルスケールでのテスト、そして空気力学の分野における画期的な革新に加えて、先進エンジニアリング、プロトタイプ開発、アディティブ・マニュファクチャリングの分野におけるサードパーティ・ビジネスに注力しています。両社は緊密に協力し、ノウハウを共有することで、全スタッフの専門知識を社内外のすべてのプロジェクトに応用しています。本社はスイスのヒンヴィルにあります。
ザウバー・グループは、持続可能性をミッションの中心に据えています。ISO 14001環境管理規格の下で事業を展開するザウバー・グループは、2011年以来、カーボン・ニュートラルを達成しており、FIA環境認定フレームワークでは三ツ星を獲得しています。
革新的なスイス企業であるザウバーは、1970年の創業以来、F1、DTM、WECなど、さまざまなチャンピオンシップシリーズで使用されるレーシングカーの設計、開発、製造における基準を打ち立ててきました。1993年のF1デビューに続き、ザウバー・モータースポーツAGは、このスポーツにおける数少ない伝統的なプライベートチームのひとつを確立しました。500以上のF1レースに参戦したチームの一員であるザウバーは、2022年にF1参戦30周年を迎え、今後もトラック内外での強化を進めていきます。